支援事例

1間幅の引違い戸を左右引分けに改修し車いす動線を確保

身体状況から、全長の長いティルトリクライニングの車いすの利用が必要でしたが、廊下から寝室へは引違いの建具であったので車いすの方向転換に十分な開口を得られませんでした。そこで廊下側に建具の枠とレールを新たに設け、2枚の戸を左右に引き分けることで有効幅約1.6mの開口とし、大型の車いすでもスムーズに部屋の出入りが可能となりました。

改修前の引違い戸の様子。ごく一般的な建具ですが、長く直線の廊下の途中に部屋があったため、左右に引分け戸を収納するスペースがあったことで、このような改修が可能となりました。

引き分け戸を開く途中の様子です。2枚の戸が左右に分かれて動いています。建具の障子自体は、元のモノを少し手直しをして再利用しています。壁の手前に新たな枠を設けたので、壁は壊すことなく施工しました。寝室の照明スイッチは、戸の裏側に隠れてしまうので部屋の内側から操作するよう位置を変更しています。

建具の改修と共に寝室の前部分のみ床の段差解消をしています。車いすの方向を変更しながらの段差昇降では、段差スロープだけでは車いすの挙動が不安定になり介助しにくいので、寝室の前約2mのみをかさ上げし、その前後を段差スロープとすることで、安定した方向転換を可能としています。